変形性膝関節症に対する各種治療法(非手術)の効果の違いを論文を元に考える。
また、その中で柔道整復師がどのように介入し、膝痛で悩む患者さんのQOLをどう向上させるかを検討する。
▶️ 膝OAの主な治療法
症状の進行度にかかわらず、保存療法を行うことが一般的だが、日常生活への支障が大きい場合に手術療法を選択することがある。
一般的な保存療法といえば…
・運動療法(大腿四頭筋強化など)
・装具療法(足底板, 膝の装具など)
・薬物療法(内服, 関節内注射)
・生活指導
…etc
▶️ 膝OAの各種治療法(非手術)の効果
〈 2007年にBMJ Clinical Evidence 誌で発表された論文 〉
○ 有益である
・運動療法、理学療法
・経口NSAIDs(ロキソプロフェン, セレコキシブなど) ※短期の疼痛緩和
○ 有益である可能性が高い
・ステロイド(関節内注射) ※短期の疼痛緩和
・ヒアルロン酸(関節内注射)
・経皮的NSAIDs(湿布、塗り薬など) ※短期の疼痛緩和
・経口鎮痛薬 ※短期の疼痛緩和
・テーピング
○ 有益性と害のトレードオフ
・オピオイド鎮痛薬
○有益性不明
・鍼
・カプサイシン
・教育(自己管理の指導)
・インソール
・コンドロイチン
・グルコサミン
▶️ 柔道整復師の介入
我々柔道整復師ができることは精々太文字で示したところ。やれることが限られている。
だが、論文にて有益あると証明された『運動療法』は我々にとって持ち味を存分に発揮できるのでは。
ダイエットや食生活などの生活指導を患者さんに行っても実践してくれる人は何人いるのか、
人間というのは多くが楽な選択をし、湿布やロキソニンなどの痛み止め、グルコサミンなどのサプリメント…
現在、院に来る患者さんで「膝痛」を主訴としている方がいて、院で運動療法を積極的に取り入れることで、患者さんの満足度や生活の質は上がると考えている。
僕は、グルコサミンやコンドロイチンと言ったサプリメントは否定派の人間。その理由も追々投稿していこうと思う。

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